徹底企業研究:森ビル編
規模は三井・三菱ほど大きくない。でも、やたら存在感がある。六本木ヒルズ、麻布台ヒルズ、虎ノ門ヒルズ。名前は誰でも知っている。
ただ、なぜ森ビルがそういう存在になったのかを本当に理解している就活生は少ない。面接で「で、なぜ当社なの?」に詰まって終わらないために。
【非上場だからこその強み】
森ビルの最大の競争優位は「非上場」であること。これは過小評価されすぎています。
麻布台ヒルズは地権者約300人との交渉に35年かけています。六本木ヒルズも17年。上場企業の役員が株主総会で「このプロジェクトは30年かかります」と言えますか? 言えない。だから森ビルにしかできない開発がある。
【立体緑園都市という思想】
森ビルが掲げる「立体緑園都市」は、単に緑を増やす話ではありません。
創業者・森稔がル・コルビュジエの『輝く都市』に衝撃を受けたところから始まり、でもコルビュジエの「機能分離」ではなく「機能複合」に転換した。職住遊商学憩を一つの街区に重ねる。高層化して密度を上に逃がし、地上を緑と人に開放する。
六本木ヒルズ森タワーの最上階に森美術館を置いたのも、この思想の具現化です。普通に考えたらオフィスにして賃料を取るのが合理的。当時は「収益性を無視した愚行」と言われた。でも結果として、六本木ヒルズは「文化的な街」というブランドを確立しました。
【ヒルズネットワーク構想】
森ビルは港区に約120棟のビルを保有しています。ここまで特定エリアに集中しているデベロッパーは他にない。
アークヒルズ、六本木ヒルズ、虎ノ門ヒルズ、麻布台ヒルズ。地図で見ると、全部歩いて移動できる距離にある。この「点」を「面」に変えるのがヒルズネットワーク構想です。
物理的な歩行者ネットワーク(グリーンネットワーク、T-デッキなど)と、デジタルプラットフォーム(ヒルズID)の両面から各ヒルズを接続する。他社には真似できない発想です。
【地権者交渉という泥臭さ】
キラキラした森ビルの都市とは対照的に、地権者交渉は驚くほど泥臭い。
六本木ヒルズの開発では「赤坂・六本木地区だより」を月2回発行(反対意見もそのまま掲載)、銭湯の跡地で映写会、書道教室、そろばん教室、合気道教室を開催。地域コミュニティに入り込んで、顔の見える関係を何年もかけて作る。
70代、80代の地権者に「IRRがどうこう」と言っても響かない。「あなたの土地の価値を活かして、子供や孫の代まで続く街を作りましょう」という話をする。これが再開発の本質であり、森ビルの競争力の源泉です。
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まで踏み込んでいます。
正直、森ビルは万人向けの会社ではないと思います。
30年かかるプロジェクトに人生を賭けられるか。港区から出なくて良いか。財閥系のような安定よりも、思想を追求する会社で働きたいか。
でも、刺さる人には深く刺さる。それが森ビルの本質だと思います。
本気で志望する人ほど、早い段階で読んでおいてください。
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