街歩きの仕方ー内定に近づく歩き方ー
街歩きの目的
街歩きはデベ就活特有の必須事項。それなのに、やり方も目的も曖昧なまま、とりあえず写真だけ撮って終わる就活生が多い。
ただ、面接やESで街歩きが効く理由はシンプルだ。 街歩きは「調べたこと」ではなく、自分の目で確かめた事実として語れるから。
そして街歩きのゴールは「散歩」ではない。 企業研究と志望動機に直結する“思考の証拠”を作ることである。
そのために必要なのは、写真の枚数ではなく、観察の軸だ。
就活生におすすめする街歩きの型(3点セット)
「観察の軸」と聞くと難しく感じるかもしれない。でも就活で必要なのはプロの調査力ではない。面接で“思考の筋道”が伝わる最低限の型があればいい。
私が勧めているのは、街歩きメモを3点セットに固定すること。主役はこの3行。
① 事実:何が起きているか(実況)
最初に書くべきは感想ではなく、現地で起きていることの“実況”。 ポイントは、人・導線・滞留・音・匂い・見え方まで落とすこと。
メモ例
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駅出口から人の流れが2方向に割れる(片方は商業、片方は住宅地)
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ベンチは空いているのに、立ち止まる人は端に偏っている
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横断歩道前だけ滞留が発生し、そこから先は一気に歩行速度が上がる
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子連れは多いが学生は少ない/夜は急に人が減る
大事なのは「盛る」ことではない。 誰が見ても確認できる事実を拾う。
② 解釈:なぜそうなっている“っぽい”か(仮説)
次に①の事実に対して「理由の仮説」を置く。正解かどうかは問題ではない。 仮説の立て方に思考が出る。
メモ例
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ベンチが使われない → 日陰がない/視線が晒される/座る理由(目的地)が弱い
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滞留が横断歩道前に集中 → 信号待ちの仕様+歩道が狭く待つ場所が限定
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夜に人が減る → 住宅比率が高い/回遊を生む用途が少ない/寄り道が生まれにくい
コツは「自分の頭の中」だけで完結させないこと。 場所の条件に根拠を預けると説得力が出る。
③ 接続:企業研究にどうつながる?(就活用の最後の一文)
就活生の街歩きが散歩で終わる最大の原因は、②で止まること。 面接で強いのは③まで出せる人だ。
ここは次のどちらかで締めると使いやすい。
A:会社の強みに接続する(志望動機の材料)
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「この課題は、単体の建物ではなく“街区運営”まで設計できる会社ほど解決しやすい」
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「ハードだけでなく、低層部の使い方やコンテンツで回遊を作れるかが鍵になりそう」
B:問いに接続する(次のアクション/面接の材料)
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「滞留を“増やす”より先に“居てもいい理由”をどう作るべきかが論点だと思った」
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「ここは“流れを止めない設計”が価値になっているように見えた。意図的なのか確認したい」
③が入ると、街歩きは“感想”から思考の証拠に変わる。
3点セット記入テンプレ(コピペ用)
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事実:
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解釈:
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接続(企業研究 or 問い):
メモは長くなる必要はない。むしろ短い方が強い。 まずは1か所につき最低3セット作るのを目標にしてみよう。
就活生が見落としがちな「観察ポイント」5つ
3点セットが揃っても、観察の材料が薄いと“それっぽい仮説”で終わる。 逆に言えば、材料さえ拾えれば、解釈と接続は勝手に深くなる。
① 人の“目的”は何か(属性より行動)
「ファミリーが多い」では弱い。 見るべきは、何をしに来て、何分いて、どこへ消えるか。
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ベビーカーは多いが滞留は少なく、一直線に公園へ抜ける
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会社員は多いが店内利用は少なく、テイクアウトで移動し続ける
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観光客は写真だけ撮って長居しない
→ 「この街は滞在より通過が強い」など、性格が言える。
② “止まる場所”と“流れる場所”の境目
賑わいを見るのではなく、止まる/流れるの切り替わりを見る。
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交差点を境に歩行速度が上がる
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店先の前だけ人が避けて歩く(無意識の回避導線)
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段差・街路樹・看板の位置で、流れが片側に寄る
→ 「なぜ止まらないのか」「止めたいなら何を変えるか」が立つ。
③ 裏側の運用(清掃・警備・搬入・ゴミ)
街の居心地は設計より運用で決まることが多い。
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ゴミ箱の位置/溢れ方/分別
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清掃頻度の痕跡(落ち葉、チラシ、ガム跡)
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搬入車がどこから入って、どこで詰まるか
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警備員の立ち位置と視線
→ 「価値を維持するために運用で何を設計しているか」まで語れる。
④ “境目”を見つける(急に空気が変わる場所)
街は均一ではない。価値の差には必ず境目がある。
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一本入った瞬間に人が消える(回遊が切れる)
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道幅・照明・看板密度が変わって空気が切り替わる
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あるラインを越えると店の単価帯が変わる
→ 「なぜ切れてるか」「どう繋ぐか」という問いになる。
⑤ 時間帯で答えが変わる場所(昼と夜は別の街)
昼に良い街が、夜も良いとは限らない。
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昼は賑わうが夜は導線だけ残って空洞化する
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平日は強いが休日は目的が消える
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朝は通勤導線、夕方は滞留が生まれる
→ 単発の賑わいではなく「持続する価値」を語れる。
最後に:街歩きは写真じゃなく、言語化で勝つ
街歩きで差がつくのは、写真の枚数ではない。 「この街(この場所)の価値はどこにあるか」を、自分の言葉で言い切れるかだ。
次の街歩きは、写真を増やす前に、まずこの3行を書いて帰ってきてほしい。
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事実(実況)
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解釈(仮説)
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接続(企業研究につなぐ一文)
これができたら、街歩きはもう散歩じゃない。 面接で使える“思考の証拠”になる。
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